
この日の朝は予定よりもボトル1本多く支給されました。
予想される気温が高めだったからかもしれません。
でも、朝もらっても困るんですよ。
支給時間からスタートまであまり時間がないもので。

最後尾を歩くラクダ。
最終ランナーはこのラクダとともに帰ってきます。

かっこいいサポートのクルマ。
3日目のコースはこんな感じ。

オーバーナイトステージの次に気をつけなければいけないのがこの日。
マラソンステージ(stage5)は42kmですが、制限時間は12時間。
ほぼ同じ距離の40kmなのにいつもどおりの10時間。
油断禁物のステージです。

おなじみのコース説明後ハッピーバースデイでスタート。

3日目ともなると落ち着いたスタートになります。
全体的に少しゆっくりめ。
「0km 9.6km地点の谷を渡るまで、西南西(252°)の方向へ進む。」

今日も今日とてまったくなにもないだだっ広い平原を進みます。
基本的にはクルマが作ったわだちの中を隊列組んで走ってます。
外れると小石が多くて走りにくいです。
序盤から日本人参加者に声をかけて写真を撮りつつ抜かしていきます。
「1.8km 砂の干上がった川底。ラクダ用の砂山と牧草地が700m」

干上がった川底とか言われてもどこからなのかまったく分からず。
いつもの牧草がみえてまぁこのへんかなぁ?ぐらいなもんです。
「4.4km 左手に起伏。細かい小石」

説明と写真が合ってないかもしれません。
牧草地を抜けるとまた平ら。確かに石が小さくなってるかもしれません。
起伏?はて?
とにかく分かっていることはあの山の先まで人が繋がっていることだけ。
「9.6km 山の砂地を登る。山間をたどり、降下する。」

スタートしてからずっと歩きなんですけども
ダラダラあるかないようにだけ気をつけてました。
とにかくお尻に力をしれて骨盤を動かすつもりでスタスタと。

山が近づいてくるにつれて少しずつスピードアップ。

左前の人は最後まで手に荷物をもってました。
なんかこれから通勤ですか?的な。

山というよりは峠を越えて緩やかな下り。
上りでザクザク抜かして下りでも走って下りてザクザク抜かしていきます。
平地ではザクザク抜かれるわけですけども・・・
「10.6km 山間の終わり。砂だらけで石の多い地。」

普通の地面に見えてもしたは砂。
蹴り足の力は掘る力になって抜けていきます。
「12.8km CP1。多少ゴツゴツした地が終わり、
木々があるエリアまで南西に進む(222°)」

ということで、順調にCP1に到着しました。
ただ、とにかく暑い。汗をかきました。
いや、汗はずっとかいてきているのですけどもこの日は凄い発汗量で
汗が垂れてくるというのをサハラに来て初めて感じました。
布で覆われているとあまり暑さを感じないのが乾燥しているところの
よさなのですが、口を覆っているバフのなかが蒸れたのがこの日。
そして、ここで塩タブレットを落としたことに気がつきました。
BCに戻るまでもらえないとのこと。
いやはや大失敗。

一息ついて補給をしたら南西へ。
「並木のある干上がった川底に石の平野。西南西に進む(224°)」

ここはちょっと川底っぽいなぁって思いましたよ。なんとなく。
コースも少し蛇行していて多少の刺激があり
木々のせいかなんだかよい気分で進んでいけました。
「21.3km あまり石の多くない地。」

そしてまたひたすら真っ直ぐ。
湖が見えてくるはずだと遠くをみながら歩いていきます。
もう、ちょっとボーッとしてたんだと思います。
陽炎を湖を間違えたりしました。
本当にこういうことがあるんだと自分でもビックリしました。
同じくらいのスピードで進んでいる日本人のチビ子(仮名)に
湖がみえたからCP2もすぐだよとか本気でいったりして・・・
目の前でチビ子が一生懸命に走る姿をみて自分もがんばらなきゃなと
ちょっとスピードアップ。
10円玉大に膨れ上がったマメを作りながらもがんばっている
チビ子に助けられた気がしました。ありがとうチビ子。
「22.7km Ma'der El Kebir湖の始まり。」

「干上がった」と書いておいて欲しかった。
真面目に湖のフチを通るのかと思ってました。
地図を見てればそんなことはないのは一目瞭然なんですけども
まぁ、頭腐ってたんでしょうねぇ。

陽炎だったり、巡回の車だったりCP2がなかなか見えてこないので
いろいろと信じられなくなっているところ。
前にいた(たぶん)ドイツ人女性にあの白いのがCP2だよね?と確認。
地平線上の白い物体がCP2のバルーンだと判明してだだ長い直線で
萎えていた気持ちが復活。
「24.1km 湖の真ん中にCP2。野原の裂け目とCalotropisの森(小さな木)を
回るように30km地点まで進む。

ほんとうになにもない。まっ平らな(干上がった)湖の真ん中。
CP2はそんなところ。ここから左にまた一直線に人が繋がっています。
なんか一番すごいなと感じたCPでした。ただの曲がり角。

水平線の彼方までいくのです。
どうも、色ではなくて形として物を認識できる限界が2kmぐらい。
水平線は5km以上10kmぐらいなのかなぁと個人的には感じました。

湖の周りは基本草地なので放牧されたラクダがいます。

ラクダと看板。
このころはかなり暑さにやられてボーッとしてました。
今起きていることは覚えていられないだろうから
とにかくカメラに収めておこうとこまめにシャッターを押しました。

よくわからないでしょうけども羊。ラクダも羊も黒かった。暑そう。
もうちょっと近づいてから撮ればいいのに頭やられてますね。
「29.2km 広いわだちを渡る。」

どれがそのわだちなのかはまったく分かりませんでした。
まぁ、とにかく真っ直ぐなのです。
「30km 森と裂け目の境界線、方向を変え南南東に進み(164°) CP3に到着。」

低木の間をひたすら歩きます。
抜かれざまにイギリス人(たぶん)にもうちょっと水飲めといわれました。
どうも後ろからみていて水を飲む回数が少なくみえていたようで・・・
塩が足りてなくて水が入っていかないという悪循環になってました。

こんな骨があるところなんです。
こうならないためにも塩分とか食料、水は本当に気をつけなきゃいけません。
「32.5km 小さな砂丘に近づく。踏み固められた地面。」

もう平らなのに飽きました。いや、ホントにね。
まだ真っ直ぐ。とにかく真っ直ぐ平らに。
「33.5km 散在する小さな砂丘。」

横を向くと

砂丘。ちょっとはマシなところを進んでいるのかなと今は思います。
「35km CP3。井戸。ラクダ用の砂山と牧草地が終わるまで、
東南に進む(140°)」

奥の小さい白いのがCP3。
かなり頭は働いてないというか、内側に向いていてペース維持だけを
心がけながら進んでいたような記憶だけがあります。
「38.2km 左側にレンガ造りの廃墟(小さな建物)」

記憶も曖昧だし、変化も少ないので飛ばし気味に。
ここまでもまったくもって平ら。
牧草地があるので多少のデコボコあれど外の刺激に鈍くなってました。
どこからともなく自転車に乗った少年たちが現れなんかくれと
言われた記憶があったりなかったり。
こっちはそんな余裕はないよってことで。
「40km 小さな砂丘が連なる」

やっと最後の砂丘が見えてきました。

でも、砂丘に入ってもまったくゴールはみえず。

最後の最後でようやく見えてきました。
でも、あと1km以上はあるようにみえるんですよね。
ゴールが見えればまた元気は復活。
笑顔とともにゴールなのでした。ほっとしたからかな。
本当にシンドイ1日でした。
最高気温は45度とか48度とかそんなウワサでした。
1箇所マメができたのでメディカルに治療に行ったら
そんな小さいのは相手にしていられんと
脱脂綿とテープを渡されセルフでどうぞと返されました・・・
自分で皮をむいて消毒液を振り掛ける。
マメは大きさじゃない。痛みはいっしょだぁぁ〜と
声が出るのを抑えて悶絶しつつ思うのでした。
(大きいほうがいたいですよねぇ・・・)

夜はテント村の真ん中でベルベル人が手拍子と太鼓に合わせて歌を歌ってました。
ということでstage3終わり。